リオンについて

医用検査機器の歩み

最新の検査をすばやく、的確に。



聴力検査機器「オージオメータ」を開発
難聴治療を支援

最初のオージオメータ「A-1001」
1952年(昭和27年)

難聴問題の解決には、個人が装用する補聴器だけではなく、医療機関等において聴力の状態を的確に診断する検査機器が欠かせません。1949年(昭和24年)の身体障害者福祉法施行などを背景に、難聴問題への関心が高まる中、聴力を検査する診断機器「オージオメータ」の開発を望む声が医療機関等から高まっていました。これらの声に応え、リオンは、小林理学研究所や東京大学医学部等と連携しながら、オージオメータの試作第1号機を1952年(昭和27年)に完成、商品化しました。その後も、日本聴覚医学会との共同研究等に基づいて最新の検査技術と医療現場での使いやすさを兼ね備えたオージオメータを開発していきました。



進化を続けるリオンのオージオメータに

本格的なトランジスタ化オージオメータ「AA-34」
1967年(昭和42年)

当初、真空管をベースにしていたオージオメータでしたが、その後、トランジスタ、マイクロコンピュータ、LSI、カードPCなど、その時代の最新技術を取り込みながら、より高機能かつ使いやすい機器へ進化していきました。現在では、電子カルテ対応機種をはじめとする豊富なラインアップにより、大学総合病院から耳鼻咽喉科クリニックまで、全国の医療機関の検査業務を支援しています。



企業健診向けのオージオメータで労働衛生分野にも対応

オージオメータ「AA-92」
1981年(昭和56年)

1980年代に入ると、騒音が多い職場で働く人々の聴覚障害が大きな社会問題になってきました。この問題に応えるため、リオンは当時最新のICを採用することで、専門の検査士がいない一般企業でも使えるオージオメータを1981年(昭和56年)に開発しています。また、1989年(平成元年)に労働安全衛生法が施行され、被験者が増大することから、取り扱いが簡単なコンパクト設計で会議室などでも安定した測定結果が得られる環境騒音モニター機能など、操作性と信頼性に優れたリオンのオージオメータは、その後も多くの企業の健康診断で活躍し、職場騒音を原因とする難聴の予防と早期発見に貢献しています。



中耳機能を検査するインピーダンスオージオメータを国産化

国産インピーダンスオージオメータ「RS-06」
1981年(昭和56年)

1970年代、欧米では、中耳疾患の有効な検査方法として、外耳道を密閉して一定の音圧を与えて中耳の音響インピーダンスを測るインピーダンスオージオメトリ法が普及していました。リオンも当初、米国製の検査機器(インピーダンスオージオメータ)を輸入していましたが、より高品質の製品を求める医療機関の声に応え、1981年(昭和56年)に国産第一号のRS-06を開発し、翌年には輸入品に変わる普及タイプのRS-30を発売しました。



耳鼻咽喉科の検査業務を支えるリオンの先進検査機器

耳管機能検査装置「JK-04」
1996年(平成8年)

リオンは、長年にわたり耳鼻咽喉科の医療現場のニーズに応える中で、この他にも様々な検査機器を開発、提供しています。めまいに対応する眼球の動きを定量的に記録する眼振計、耳管の働きを診る耳管機能検査装置、聴覚医学会による耳鳴検査法の確立に貢献した耳鳴検査装置、聴神経障害の部位診断や顔面神経の診断等に使われる誘発反応検査装置、電気味覚計など、様々な検査機器が、耳鼻咽喉科の検査業務を支えています。



子どもの難聴に挑戦するリオン

OAEスクリーナー「ER-33」
2000年(平成12年)

新生児や乳幼児の難聴は、言葉の習得やその後の脳の発達に大きな影響を与えるため、何より早期発見が求められます。しかし、言葉が使えない乳幼児の場合は、被験者との対話が必要なオージオメータに代わる他覚的な聴力検査装置が必要になります。リオンは、神経系の反応を直接観察できる聴性誘発反応検査装置(ABR)をはじめとする乳幼児向けの各種検査装置を提供し、新生児聴覚スクリーニング、乳幼児難聴の診断治療を支援しています。