お知らせ
医師監修の簡易的な聴力測定システム「聞こえチェッカー」を開発
2021.10.28
~聞こえの程度をわずか2分で把握~
リオンは、普段から自分自身の聞こえに興味を持っていただき、難聴の早期発見と耳鼻咽喉科医師による適切な診察・診断へつなげるために、「聞こえチェッカー」を開発しました。聞こえチェッカーは、難聴に自覚のない方や聴力が気になっているが、医療機関の受診に至らない方に向けた簡易的に聴力を測定できるシステムです。2分程の聞き取りチェックを行うことで、自身の「聞こえの年齢※」が表示され、聞こえの程度を把握することができます。なお、「聞こえの年齢」の算出には独立行政法人国立病院機構東京医療センター聴覚障害研究室の和佐野浩一郎室長による聴力の加齢性変化に関するデータベースを用いております。今後は検証を重ねることで製品化を目指します。
※日本人における男女別および年齢別の平均的な聴力と比べた際の聞こえの程度を年齢に換算した値です。
近年、認知症の要因の一つに難聴が挙げられるなど、聞こえに対する関心が高まっています。また、新型コロナウイルス感染症の影響によるマスクの着用やアクリル板の設置に伴い、声が聞き取りづらいと感じる機会が増えています。聞こえチェッカーは、聞こえに不安を感じた方に耳鼻咽喉科受診を促すことを目的としています。
聞こえチェッカーの特長
■2分程で測定結果がわかる利便性
聞こえチェッカーは専用の適切な音圧レベルと遮音性能を備えたヘッドホンを着用し、「聞こえますか?」の問いに「はい」・「いいえ」で回答します。誰でも簡単に2分程でご自身の聞こえの程度を把握することができます。タブレット操作に慣れていない方にも使いやすいように画面の案内表示にもこだわりました。
総合病院の待合室や薬局等に聞こえチェッカーを設置し、耳鼻咽喉科以外へ来院された方に待ち時間を利用して気軽に体験できることを目指しています。
■測定結果を年齢で表示
測定結果で聞こえの年齢を表示することで、自覚しづらいご自身の聞こえの程度を客観的に可視化することができます。また、測定結果は東京医療センターの研究成果と当社の聴覚検査機器開発で培った技術を組み合わせることで、聞こえチェッカーに表示させます。(特許出願中)
■聴力の加齢性変化に関するデータベースを使用
東京医療センターにおいて2000年から2020年までに行われた約7万件の聴力検査結果のうち、耳疾患の影響がなく、加齢による影響だけを抽出した1万人以上の聴力データに基づいて解析された聴力の加齢性変化に関するデータベースを使用しています。このデータベースは、10代から90代までの幅広い年齢層の男女別データで構築されています。これらによって解明された日本人における男女別および年齢別の平均的な聴力は、認知症対策など聴覚の活用に向けた基礎データになることが期待されています。