リオンについて
リオネットセンター新宿、探訪 ②
2022.08.25
丁寧なカウンセリングで個々に合わせた補聴器を提案
入社6 年目の福田奏子は今年の春に晴れて認定補聴器技能者の資格を取得。顧客に寄り添った細やかな接客で成果を上げている。
「知識面、技術面、どちらも普段の業務の中で学ぶことが本当に多いので、日々勉強です。お客様の聞こえのお悩みも様々なので、カウンセリングの時間を丁寧に、大切にすることを心がけています」
家族とのコミュニケーションが取りづらい、仕事中の重要な会議の内容が聞き取りづらい、俳句やギターなどお稽古事の際に先生の話が聞き取りづらいなど、補聴器を求める人の聞こえの悩みは実に様々だ。カウンセリングの際、福田は「聞こえ方」の具体的なお悩みやご要望を丁寧に聞き取る。
「コロナ禍で外出の機会が減ってしまい、コミュニケーションを億劫に思われている一人暮らしの年配の方もいます。そういった方々に補聴器を着けていただくことで少しでも人と繋がれたり、会話をすることを楽しんだりしてもらえたら嬉しいですね」
補聴器の種類は大きく分けて、耳の穴に収まる「耳あな型」、耳の後ろにかける「耳かけ型」、ポケットに入れたり首から下げたりして使う「ポケット型」の3 種類。それぞれにデザインや機能の異なるバリエーションがあり、試聴やフィッティングを繰り返しながら顧客に合った補聴器を提案する。
「騒がしい環境下での会話を重視したい、音にメリハリをつけて聞こえの向上を図りたいなど、お客様の要望をかなえるための様々な機能を持った補聴器を揃えています。最近では既製品ではなく一人一人の耳の形に合わせてつくる耳あな型のオーダーメイドタイプを選ばれる方も増えましたね。目立ちにくさはもちろんですが、自分の耳にぴったり合う自然な装用感や、鼓膜に近い場所に収まるので耳本来の自然な聞こえを可能にするので人気があります。また、コロナ禍では補聴器を着けているとマスクの着け外しが不便という理由から、耳かけ型から耳あな型に買い替える方も増えました」
補聴器が家族の絆を取り戻すツールに
オンライン授業やリモートワークが増えたことで補聴器の「聞こえ」のフィッティングの相談も増えた。販売して終わり、ではなく販売後のアフターケアも大切だ。
「購入されたお客様には、クリーニングやメンテナンスなどでだいたい3~4ヶ月に一度ご来店いただいています。もちろんお客様のご負担にならない程度にですが。補聴器を長く使っていると、買い替えのご提案やその後のアフターケアも必要です。お客様とは長いお付き合いになりますので家族の一員になった気持ちで接しています」
たくさんの顧客と接する中で、心に残る感動的なエピソードも蓄積されていく。
「お年を召した女性のお客様のお話ですが、最初に当店にいらしたきっかけがタクシーの運転手さんの紹介だったことがあったんです。最近耳が聞こえにくいという話をタクシーの中でされたそうで、タクシーの運転手さんからこの近くに補聴器専門店があると聞いて来てくださったんです。その日は補聴器を貸出したのですが、もし購入するとしたら高額なものなのでご家族の方に相談されることをお勧めしました。しかし、娘さんとの仲があまり良くないということだったんですね。会話がしづらいことも原因だったようです。その後、補聴器を購入していただいたのですが、ある日アフターケアで娘さんと一緒に来店してくださったんです。会話がスムーズになることで心を繋げることもできる。補聴器というツールが家族の絆を取り戻すきっかけにもなるって素敵なことだなと感じました」
取材・文/横田 可奈
- 本記事は「RION Technical Journal Vol.4」から抜粋しています。
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