リオンについて
デジタルの力でユーザーとつながる、関係を深める。 ③
2023.04.20
リオネットサークルが目指すデジタルとリアルの融合
補聴器のフィッティング研究から新規店舗の立ち上げまで、補聴器にまつわるさまざまな現場を経験しリオネットサークル推進室にやってきた奥田博昭は、太田と共に「リオネットサークル」のコンセプト作りを1から手がけてきた。現在はポータルサイト上のコンテンツデザイン全般および、プロジェクトのアウトプット戦略を担うキーマンである。
「最もこだわっているのはユーザーとのタッチポイントです。リオネットサークルは簡単に言うと、あらゆる場面でユーザーとのタッチポイントを作り、ロイヤルカスタマー(ブランドに深い愛着を抱く顧客)へと導いていくためのプラットフォーム。でも、タッチポイントは人によって違うじゃないですか。例えば補聴器を買いに行くというシーン1つとっても、予約をせずに直接お店に行く人もいれば、予約をとってから行く人もいる。インターネットで比較検討してからお店で買いたいという人もいれば、お店を巡っていろんな商品を直に見て比較したいという人もいる。ツールに着目してみても、電話が良い人、SNSが良い人、ハガキが良い人もいるし、あの販売店のいつもの販売員じゃなきゃダメという人もいる。ですからリオネットサークルはデジタル施策の集合体ではあるものの、デジタルにこだわるのではなく、デジタルとリアルが垣根なく融合して機能するものだと捉えています」
3つのポータルサイトは立ち上がったばかり。ユーザーの困りごとにいち早く対応するようなサービスを開始したいが、そのためのシステム構築がまだ追いついていない状況だ。しかしながら、リオネット セールスポートへの反応は上々で、2022年11月に実施した満足度調査でも9割が「満足」と回答した。その理由は、多様なキーワードで検索しても欲しい資料がすぐ手に入る仕組み。検索性にこだわり、AIを導入した上で専門用語のタグ付けも行った。補聴器販売に関する「これはどういう意味?」がすぐに解消できると好評である。
一方で、メーカーが顧客情報を扱うことが不安視されないか心配する意見もあった。「補聴器が必要な人に新たな顧客体験を創る」というリオネットサークルの目的とあわせて、ロイヤルカスタマーを生み出すことが、販売店に顧客を呼び戻すことにもなると丁寧に伝えることで理解を得た。
「リオネットサークルは、究極のインサイドセールス(顧客と対面で接することなく、ロイヤルカスタマーへと導く支援型営業)の仕組みです。本来リオンは他メーカーよりも手厚く、安心感のあるフィールドセールスをモットーにしてきました。今後、インサイドセールスとフィールドセールスがしっかりと噛み合い、営業部が一丸となってプロモーションを進めていくことができれば、より強い組織に変わっていけると思っています」(奥田)
「最もこだわっているのはユーザーとのタッチポイントです。リオネットサークルは簡単に言うと、あらゆる場面でユーザーとのタッチポイントを作り、ロイヤルカスタマー(ブランドに深い愛着を抱く顧客)へと導いていくためのプラットフォーム。でも、タッチポイントは人によって違うじゃないですか。例えば補聴器を買いに行くというシーン1つとっても、予約をせずに直接お店に行く人もいれば、予約をとってから行く人もいる。インターネットで比較検討してからお店で買いたいという人もいれば、お店を巡っていろんな商品を直に見て比較したいという人もいる。ツールに着目してみても、電話が良い人、SNSが良い人、ハガキが良い人もいるし、あの販売店のいつもの販売員じゃなきゃダメという人もいる。ですからリオネットサークルはデジタル施策の集合体ではあるものの、デジタルにこだわるのではなく、デジタルとリアルが垣根なく融合して機能するものだと捉えています」
3つのポータルサイトは立ち上がったばかり。ユーザーの困りごとにいち早く対応するようなサービスを開始したいが、そのためのシステム構築がまだ追いついていない状況だ。しかしながら、リオネット セールスポートへの反応は上々で、2022年11月に実施した満足度調査でも9割が「満足」と回答した。その理由は、多様なキーワードで検索しても欲しい資料がすぐ手に入る仕組み。検索性にこだわり、AIを導入した上で専門用語のタグ付けも行った。補聴器販売に関する「これはどういう意味?」がすぐに解消できると好評である。
一方で、メーカーが顧客情報を扱うことが不安視されないか心配する意見もあった。「補聴器が必要な人に新たな顧客体験を創る」というリオネットサークルの目的とあわせて、ロイヤルカスタマーを生み出すことが、販売店に顧客を呼び戻すことにもなると丁寧に伝えることで理解を得た。
「リオネットサークルは、究極のインサイドセールス(顧客と対面で接することなく、ロイヤルカスタマーへと導く支援型営業)の仕組みです。本来リオンは他メーカーよりも手厚く、安心感のあるフィールドセールスをモットーにしてきました。今後、インサイドセールスとフィールドセールスがしっかりと噛み合い、営業部が一丸となってプロモーションを進めていくことができれば、より強い組織に変わっていけると思っています」(奥田)
潜在顧客から顕在顧客へ。そして購入に至るまでのアプローチ
リオネットサークルによるあるべきプロセス
デジタル化とは本当に必要なものを顕在化する作業
「リオネットサークル」の根幹を担う顧客データベース。リオンの顧客情報に、販売店や医療従事者から共有される情報を統合した大規模なデータベースが、よりパーソナルかつ詳細なデータへと整うことによって、「リオネットサークル」がさらにきめ細やかなサービスに進化する。このデータベース管理をはじめとして、システム全体のデザインやマネジメントを手がけるのがIT推進課の大川佳洋である。
リオネットサークル構想のプロジェクトが発表されたとき、大川はプロジェクトの行く末に関し、少々、不安を抱いていた。当時はDX(デジタルトランスフォーメーション)などの用語だけが独り歩きしており、「データを蓄積して、何かを行いたい」といった漠然とした相談がIT推進課にしばしば舞い込んでいたためである。しかし聞けば聞くほど、新たなプロジェクトである「リオネットサークル」は違った。
「最も時間を要したのが、システムにどのような機能を実装し、どんな風に活用していくのかを決める、要件定義の段階です。リオネットサークルは非常に大規模で膨大なデータを扱う構想だったので、システムの専門家としては本当に実現できるものなのか、効率が悪くないか、期待している効果を生むのかなど、一つひとつ精査する必要がありました。しかし、プロジェクトチームとしてはここに至るまでに大変な議論を重ねてきていますから、私の意見に対し、“もうやりたいことは決まっているのになぜもう一度ゼロから考える必要があるんだ”と感じた部分もあったのでしょう。ですから社内において広く、ITとは何を成しうるのかを明確に理解してほしいと、私たちの部署では考え、行動していましたね」
IT推進課の仕事は単にコツコツとプログラミングをするだけではない。プロジェクトチームのアイデアをデジタル化する作業は、本当に必要なデータとは何か、必要なサービスとは何かを顕在化させる作業でもあった。
「リオネットサークル」のシステム構築はIT推進課にとっても挑戦的な内容だった。クラウドサービス内にシステムを構築するのも、特別なセキュリティが必要になる案件も、不特定多数の社外ユーザーが使うシステムを作るのも初めての経験だったからだ。若手2名を含む4人体制であったためリソース不足、スキル不足の不安もあった。
「不安要素はありましたが、結果的に新たなノウハウを習熟でき、棚ぼた的ですが若手2人の急速な成長も実現しました。データベースを含むシステム構築はまだまだ途上段階。ユーザーが今何を求めているのかをタイムリーに拾いながら、スピード感を持って対応できるように努めます」(大川)
リオネットサークル構想のプロジェクトが発表されたとき、大川はプロジェクトの行く末に関し、少々、不安を抱いていた。当時はDX(デジタルトランスフォーメーション)などの用語だけが独り歩きしており、「データを蓄積して、何かを行いたい」といった漠然とした相談がIT推進課にしばしば舞い込んでいたためである。しかし聞けば聞くほど、新たなプロジェクトである「リオネットサークル」は違った。
「最も時間を要したのが、システムにどのような機能を実装し、どんな風に活用していくのかを決める、要件定義の段階です。リオネットサークルは非常に大規模で膨大なデータを扱う構想だったので、システムの専門家としては本当に実現できるものなのか、効率が悪くないか、期待している効果を生むのかなど、一つひとつ精査する必要がありました。しかし、プロジェクトチームとしてはここに至るまでに大変な議論を重ねてきていますから、私の意見に対し、“もうやりたいことは決まっているのになぜもう一度ゼロから考える必要があるんだ”と感じた部分もあったのでしょう。ですから社内において広く、ITとは何を成しうるのかを明確に理解してほしいと、私たちの部署では考え、行動していましたね」
IT推進課の仕事は単にコツコツとプログラミングをするだけではない。プロジェクトチームのアイデアをデジタル化する作業は、本当に必要なデータとは何か、必要なサービスとは何かを顕在化させる作業でもあった。
「リオネットサークル」のシステム構築はIT推進課にとっても挑戦的な内容だった。クラウドサービス内にシステムを構築するのも、特別なセキュリティが必要になる案件も、不特定多数の社外ユーザーが使うシステムを作るのも初めての経験だったからだ。若手2名を含む4人体制であったためリソース不足、スキル不足の不安もあった。
「不安要素はありましたが、結果的に新たなノウハウを習熟でき、棚ぼた的ですが若手2人の急速な成長も実現しました。データベースを含むシステム構築はまだまだ途上段階。ユーザーが今何を求めているのかをタイムリーに拾いながら、スピード感を持って対応できるように努めます」(大川)
取材・文 /高橋 美由紀
- 本記事は「RION Technical Journal Vol.7」から抜粋しています。
「RION Technical Journal」は、リオン株式会社が発行する技術情報誌です。 私たちの原動力は人を助け、社会を支えたいという熱い想い。そのような情熱と創意工夫による蓄積した技術を丁寧に、わかりやすくご紹介します。是非ご覧ください。
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