製品情報

オージオメータ AA-H2

精密診断・臨床・研究用のハイエンドモデル

医療機器認証番号:306AABZX00044000

電子カルテ対応

JIS 純音タイプ タイプ1、語音クラス クラスB

JANコード:4989696026456

医療機器分類:管理医療機器 クラスⅡ

特定保守管理医療機器:非該当




使いやすさを追求したデザイン

従来比約2倍*1の大画面タッチパネルディスプレイを検者の正面に配置。
従来製品から受け継いだボタンの配置やダイヤルの操作感はそのままに、さらに見やすく、使いやすく進化しました。
*1 当社製オージオメータAA-H1との比較。

AA-H2

POINT
1
本体中央に15.6インチの大画面をレイアウト。   
POINT
4
検者の手の動きを最小限に抑えるボタン・ダイヤル配置。

POINT
2
押した感覚がわかりやすい物理ボタンによるストレスフリーな操作感。   
POINT
5
回すだけでOFFにできるマスキングダイヤルを新規採用。

POINT
3
高輝度LEDランプにより操作パネルの視認性が向上。どのボタンを選択しているか、明るい場所でも見やすく。   
POINT
6
感熱プリンタはAA-H2とワイヤレス接続。*2
*2 プリンタの電源にはACアダプタを使用します。



新たに雑音下語音聴取能検査 J-HINT、J-Matrix testを内蔵

雑音下における言葉の聞き取り検査であるJ-HINT、J-Matrix testを内蔵しています。AA-H2本体の大型タッチパネルの操作のみで検査音声とノイズの提示、採点、結果表示まで行うことができます。
また、J-HINT、J-Matrix testでは、各施設に合わせた検査条件を最大4条件まで設定でき、1条件あたり約3~5分と短時間での測定が可能です。

J-HINT、J-Matrix testとは

J-HINT、J-Matrix testは、従来の語音聴力検査と異なり、雑音環境下における語音(文)聴取閾値を求める検査です。
内蔵された検査音声(文)とノイズをスピーカから提示し、被検者に聴取・復唱させ、正誤入力します。回答の正答/誤答によって次に提示する音声の音圧が変化していくAdaptive法を用いることで、雑音下の語音聴取閾値を求めることができます。
このほか、J-HINT、J-Matrix testの特徴は以下のとおりです。

  • 提示する音声は文であるため、日常生活により近い環境下で語音聴取能を評価可能 。
  • Adaptive法により、天井効果/床効果の影響を受けない。 
  • 豊富なリスト数を備え、検査実施ごとに音声の提示順がランダム化されるため、学習効果の影響を受けにくい。 
  • 結果は、SN比で表示されるため、被検者の雑音下の聞こえを直観的に理解しやすい。 

また、表に示すようにJ-HINTとJ-Matrix testには、それぞれ異なる特徴があります。
  J-HINT J-Matrix test
音声 男性 女性
 文の性質  予測性の高い文 予測性の低い文
検査結果

計算方法
平均提示レベル
(5文目以降)
最尤推定法による
推定値
開発国 アメリカ ドイツ
開発年 1999~2003年 2018年


J-HINT

1条件につき、日常会話文を20文提示します。結果のSRT(50%了解度*3)は、SN比(平均値)で表されます。
*3 明瞭度が50%になる最小の聴取レベルです。

■リスト表示画面 リスト表示画面
■チャート表示画面(測定中) チャート表示画面(測定中)


J-Matrix test

1条件につき、5つの文節から構成される予測性の低い文を20文または30文提示します。結果のSRT(50%了解度*3)は、SN比(推定値)で表されます。
*3 明瞭度が50%になる最小の聴取レベルです。

■リスト表示画面 リスト表示画面
■チャート表示画面(測定中) チャート表示画面(測定中)

■散布図表示画面
散布図表示画面


J-HINT、J-Matrix testのスピーカ配置例

音声は被検者の正面から提示し、ノイズの提示方向を変えることで、各々の検査結果を比較することができます。

J-HINT、J-Matrix testのスピーカ配置例
※スピーカはオプションです。※スピーカは校正が必要です。詳しくは営業担当までご相談ください。


J-HINTとJ-Matrix testの活用例

J-HINT、J-Matrix testは、今後、聴覚補装具(補聴器、人工内耳)などを客観的に評価する手法として活用が期待されている検査で、近年、両検査に関する研究発表は、増加傾向にあります。
以下に、J-HINT、J-Matrix testの活用例をご紹介します。

方向性マスキング解除の評価

方向性マスキング解除*4によるSRTへの影響の確認に有効です。
*4 方向性マスキング解除(SRM:Spatial Release from Masking)とは、検査音声とノイズをそれぞれ異なる位置から再生するとSN比が改善し、検査音声が聞き取りやすくなる現象をいいます。

■方向性マスキング解除の影響が強い例
方向性マスキング解除の影響が強い例


音声とノイズを正面のスピーカから提示した場合SRTは「-5.3dB」ですが、音声を正面のスピーカ、ノイズを右のスピーカから提示した場合SRTは「-11.4dB」となり、方向性マスキング解除の影響によってSRTが改善しています。


■方向性マスキング解除の影響が弱い例
方向性マスキング解除の影響が弱い例


音声とノイズを正面のスピーカから提示した場合SRTは「-5.3dB」ですが、音声を正面のスピーカ、ノイズを右のスピーカから提示した場合でも、SRTは「-5.7dB」となり、SRTにはほぼ変化がなく方向性マスキング解除の影響が弱いことが推定されます。


聴覚補装具の装用/非装用の比較

聴覚補装具の装用/非装用の比較

補聴器を非装用の場合、SRTは「-4.4dB」ですが、補聴器を装用した場合、SRTは「-5.7dB」となり、SRTが改善しています。
※補聴器による装用効果は、個人の聴力や補聴器の設定などにより異なるものであり、上記はあくまで一例です。






補聴器適合判定に関する機能が充実

音場語音聴力検査をタブレットでより簡便に採点

付属のタブレットへ手書き入力した文字は、AA-H2本体へリアルタイムに反映され、自動採点されます。
正誤判定にかかる時間を短縮でき、検者・被検者の負担軽減に貢献します。
検者によるタブレットやAA-H2本体での手動採点も可能です。
※受話器による語音聴力検査でもタブレットを使用できます。

タブレットでより簡便に採点

内蔵する検査用音源*5

  • 57-S語表
  • 67-S語表
  • 補聴器適合検査の指針(2010)検査用音源
*5 各音源の著作権は、日本聴覚医学会に帰属します。
■補聴器適合検査の指針(2010)の検査項目選択画面 補聴器適合検査の指針(2010)の検査項目選択画面

補聴器適合検査の判定入力まで可能

補聴器適合検査画面では、検査音の提示から結果入力、判定入力までが可能です。



標準純音聴力検査をサポートする機能が充実

マスキングアシスト

技術習得に時間を要する、マスキングの必要性の判断やマスキング量の決定に便利な機能です。
推奨マスキングレベルやオーバーマスキングにならないと考えられるマスキングレベルの範囲を表示します。
また、マスキングを行った閾値測定の過程やプラトーの有無を視覚的に把握できます。

■推奨マスキングレベルの表示 推奨マスキングレベルの表示
■プラトーのメッセージ表示 プラトーのメッセージ表示


年齢別平均聴力レベルの表示

年齢別平均聴力レベルの表示
年齢別平均聴力レベル*6を画面に表示できます。被検者のオージオグラムと重ねて表示、印刷も可能です。
*6 出典:K.Wasano et al. "Patterns of hearing changes in women and men from denarians to nonagenarians", The Lancet Regional Health-Western Pacific (2021,vol.9,100131) .





高周波数の気導聴力検査に対応

■16000Hzまでの高周波純音聴力検査 16000Hzまでの高周波純音聴力検査
  • 高周波数専用の検査モードを新たに搭載しました。オプションのイヤホンを使用し、125~16000Hzの純音聴力検査が可能です。
  • JIS T1201-1:2020に対応した高周波数用のオージオグラムを実装しています。
  • AA-H2本体の画面上に備えられた高周波数ボタンにより、任意の周波数(9000~16000Hz)にワンタッチで切り替えできます。




耳鳴検査用のボタンを搭載

操作パネル上の耳鳴検査用ボタンにより、最低限の操作で検査を実施できます。付属の受話器を使用し125~12000Hzの検査(閾値測定・ピッチマッチ/ラウドネスバランス検査・遮蔽検査)が可能です。



マスキングノイズを簡単にOFF

マスキングノイズを簡単にOFF
ダイヤルを回すだけでマスキングノイズをOFFにすることができます。



幼児聴力検査の充実したオプション

■接続概念図 幼児聴力検査の充実したオプション
*7 受注生産品
オプションのCOR/ピープショーボックスPB-61 や、受注生産品のプレイボックス等を組み合わせた幼児聴力検査システムを接続することができます。
また、メディアプレーヤーや外部ディスプレイ等の映像機器を接続することもでき、施設ごとのご要望に沿ったご提案が可能です。
※詳しくは営業担当までご相談ください。



電子カルテシステム等との連携

オプションの聴覚検査結果支援システム メディレポとの接続が可能です。メディレポは当社製検査機器の検査結果を院内情報システムへ送信するソフトウェアです。また、オーダ情報・患者情報・検査データを一元管理することができます。

聴覚検査結果支援システム メディレポとのLAN接続

AA-H2とメディレポをLAN接続することで、以下の機能を使用することができます。

■患者情報の呼び出し
患者情報の呼び出し、オーダ情報の確認*8をAA-H2の画面上で行うことができます。
また、メディレポに保存されている過去の標準純音聴力検査結果を画面上に表示し、比較しながら検査をする「重ね書き」も可能です。
*8 「オーダ情報 連携ソフトウェア」が必要です。
患者情報の呼び出し

■オーダ一覧の確認 オーダ一覧の確認
■重ね書き 重ね書き

■構成例
構成例
  • 検査データを直接サーバPCに保存することも可能となり、データを受信するためのクライアントPCの設置が不要です。
  • 構成は使用方法によって異なります。 
※従来のシリアル通信も可能です。オプションのケーブル等が必要です。
※詳しくは営業担当までご相談ください。



その他の便利な機能

タブレットのホワイトボード機能

付属のタブレットは、タブレット用ペンを使用して自由に文字や図などを描くことができます。
被検者との筆談などの用途にご活用いただけます。
ホワイトボード機能


感熱プリンタによる印刷

検査結果は、付属の感熱プリンタから印刷ができます。
標準純音聴力検査では、年齢別平均聴力レベルを重ねて印刷することが可能です。患者様やご家族様への説明の際に有効です。
また、感熱プリンタはワイヤレス接続のため、自由なレイアウトが可能です。
感熱プリンタによる印刷


カードリーダ/バーコードリーダでID 読み込み

別売のカードリーダやバーコードリーダを接続することで、磁気カードやバーコードで管理されている患者情報を読み込み可能です。